初ツアー【岸】

最初のツアーは、高中正義さんの全国ツアーでした。
ただし、ローディーとしてです。

今も所属させてもらっている事務所、オフィス・インテンツィオに入ったばかりの僕でしたが武者修行のように、大した知識もなくツアーに出されました。

ツアーではわからない事ばかり。みんなが当然のように行ってる機材の積み卸し、セッティング、リハ、本番、バラシ、積み込みという流れは、聞く余裕すら与えられず、目で見て、そして時には怒鳴られて覚えました。

「何でも聞いて」
と言われていたはずなのに、実際に聞いてみると
「そんな事もわからないのかよ!」
とよく言われました。

ある時
「そのスタンド、少し上手に寄せて」
と言われました。しかし、上手の意味がわからない。
「上手って何ですか?」
と聞きたいところですが、聞くと怒られるか笑われるので、その意味を予想する。

”寄せるって事は、どちらかの方向って事だよな、、、、あとは前後右左、確率4分の1。一か八かだ”
と、その機材をある方向へ寄せてみる。と、、、
「OK!」
と言われる。上手の意味が理解できた瞬間でした。

つまりツアー中は常に耳をダンボにして情報集めをして、知ったかぶりをしつつ、平然とてきぱき行動する事でなんとか他のスタッフについていきました。
今思うと、事故が起きなくてよかったと思うけどね。

そのツアーのキーボーディストが当時二人ともシンセのプログラミングに疎くって、僕に操作を一任させてくれた事もあって、ツアー当初、僕に怒鳴りかかっていたローディーチームのチーフもツアー後には僕を褒めてくれたのを覚えてます。嬉しかった。
ミュージシャンとしての初ツアーよりもこのローディーとしてのツアーが僕にとっては思い出深いですね。

ちなみにそのローディーのチーフというのは、知ってる人は知っているスタッフYOさんです。
当時は違いましたが、今ではインテンツィオで働いてます。
そしてその時僕と同じように知識と経験のないローディーだった桜井は、今やコブクロやオレンジレンジでドラム叩いている素晴らしいミュージシャンであり、僕の大切な友人の一人です。
そしてこのツアーの東京公演では布袋さんが飛び入り参加をして、僕と初対面を果たしました。
(当然、布袋さんは僕の事は覚えていないと言ってました)

今になって思うと、スタッフYOさん、桜井、そして布袋さんに出会えた運命的なツアーだったわけです。

ところで西川さんってローディーってやった事あるんですか?もし経験無かったら、ローディーにまつわる話しでも聞かせてください。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.junkfunkpunk.com/blog/mt-tb.cgi/61

コメント

やはり凄い!
ローディーとして初ツアー参加の後半ではすでに仕事を認められ、後に影響を与えられる方々と出逢うなんて!
岸さんの”今”に続く”必然”ですね☆

全く音楽とは違う業種ですが、異動があり、さっぱりわからない仕事で、一度教えて貰うと後は二度と聞けない雰囲気で、こっそりセンターマニュアルを出して読んだり走り書きしたメモから類推(笑)しながら仕事をしています。
同じ仕事の人がおらず、周りの様子の情報収拾をしても…

Parabola Antenna並に全方位にいつも気を配り、目や耳もフル回転!
そして得た情報からの推理!
当時から今の岸さんの片鱗が、と言うかそのまま、、、、、。
布袋さん、桜井さん、そしてあのスタッフYOさん!(彼は感慨深いものがあるのでは!)縁(えにし)ですね。

高中さんのギター、テレビのCMで流れていたのが印象的!

そしてこれからのJFPツアー、企画もきまり、リハリハですね〜♪

根岸さん、西川さんと共にいろいろとお忙しい中でのJFP。
大変でしょうが、だからこそ!の盛り上がりがとても楽しみです!!!
(長文すみません(汗)。)

投稿者 tb-tk : 2008年02月07日 06:48

岸さんの思い出深いローディ−時代の話面白かったです。
岸さんなんでも知ってるみたいなのに若い時は、知ったかぶりでがむしゃらに働いていたのですね(笑)
某所でのスタッフYOさんの過去日記に岸さんの若い時のことが書いてあるので 読み返すと面白いですよ。

投稿者 babo : 2008年02月07日 07:25

まさに、その時に運命の扉に飛び込んだのですね
がむしゃらにわからないことだらけの中、覚えながらも進む道は
自分の力になっていくのでしょうね
出逢いの不思議を思います

投稿者 じゃぐちん : 2008年02月07日 09:36

出会いって本当に凄いなって感じました。
というか感動した。。。
どんなことでも一時は辛くても振り返ってみると
大きなものに変わってるんですよね。

”物事には無駄なものなんてなくて全てに意味がある”
そう思えたお話でした。

投稿者 ユキノ : 2008年02月07日 11:13

出会いって偶然であるかのように感じますが、
本当は必然なのかもしれないですね。

その場所に人生を変える人がいて、、、
たまたまかもしれないけれどその場に居合わせた。
そう考えると偶然ですが、あの場所にいなくてはいけなかった、と考えると出会いは必然ですよね。
不思議なものです。

投稿者 まろん : 2008年02月07日 23:15

うはぁ…
武者修業ですね正に。
専門時代に見て技を盗めって言われました。
うちも全然知ったかぶりですが…
ローディー時代のお話聞かせて頂いてありがたいです!
岸さんのお話勉強になります。
P.S.上手の話、冒険すぎてスリル抜群です。(笑)

投稿者 さや : 2008年02月13日 03:43

利至様にもとても大変な時期があったんだなぁ…
と実感しました(笑)
聞いてと言われたら普通聞きますよね?
それで怒られるって…
おかしいですよ~

投稿者 トッシー : 2008年02月14日 03:51

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)